Historic Site 失われ行く心の風景を探して
縄文の昔にもさか上る長い時の流れと、山深いおおらかな自然の中で培われてきた、望月の歴史と文化。遠い昔に思いをはせながら、裸の心で訪ねてみたい郷愁の里、望月。花のつぼみがほころぶ春、緑さわやかな夏、華麗な錦を織りなす秋、雪と静寂に包まれる冬…。それぞれの風景の中に、いつまでも忘れたくない日本の心がきっと見つかります。
●福王寺
平安時代の大同2 年(807 )開基と寺に伝わる真言宗の古刹。江戸初期の火災で難を逃れた鎌倉時代の本尊阿弥陀如来坐像と日光月光の二菩薩、天部二体が現存し大切に祀られています。中でも阿弥陀如来坐像(重文)は男性的な力強さの中にも安らかな輝きを放つ、中世美術の代表作。春には樹齢300 年を超える枝垂れ桜が寺を飾り、ほのぼのとした里の風景を楽しませてくれます。
●城光院
平安時代よりこの地に根をはった豪族望月氏と関係する寺。文明7 年(1475 )の開基と寺に伝わり、望月氏の宝篋印塔(ほうきょういんとう)や境内に佇む青面金剛像(しょうめんこんごうぞう)の姿に、過ぎ去った年月が偲しのばれます。
●大伴神社
平安時代の延喜式に記載されている佐久式内社(しきないしゃ)の一つ。毎年8 月15 日の夜には天下の奇祭として名高い、勇壮な火の祭り、「榊祭り」を執り行う由緒ある神社です。
●蓮華寺
平安時代中期治暦3 年(1067 )に開創されたと寺に伝わる真言宗派の寺院。本尊として祀られる木造不動明王像は江戸時代初期の作と言われています。
●豊川稲荷神社
断崖の岩肌に祀られた弁財天の、はるか上に鎮座する豊川稲荷。岩肌を彩る木々の緑と朱色の社殿が見せる景観に、どことなく中国的な雰囲気が感じられます。 |